龍旦のブログ

天台寺門宗の僧侶、田阪龍旦と申します。

鬱の時に自分にかける言葉

今回は割と現実的な話です。

知り合いの甥っ子さんがうつ病で悩んでいると聞きました。

 

僕はパニック障害と鬱は大学時代からなっているので、全てではないですが色々分かっているつもりです。

なったことない方は分からない感覚なのですが、“理由があり気持ちが落ち込む”のと“うつ状態”は全く別物です。

 

うつ状態は病気なのですが、何がどう違うのかというと、うつ状態は明確なきっかけがなかったとしてもなってしまうものです。(もちろん、きっかけがある場合も多いですが、些細なことであってもなってしまうことがあります。)

 

つまり、目に見えない“鬱スイッチ”があり、それがバチッと入ってしまうとうつ状態になります。

うつ状態は脳機能が不調を起こしている状態のことです。

脳も内臓です。お腹壊して吐いたり下痢したりするのと全く同じです。

 

仕組み的にいうと、脳の外側にある大脳新皮質という部分の血流が落ち、中間部分の大脳辺縁系の制御ができなくなってる状態です。

 

新皮質は建設的な思考や計算をするときに活発になる部分です。

なので、重度のうつ状態になると本の文字が読めなくなったり、簡単な算数の問題を解くことすらも難しくなります。

 

辺縁系は感情の脳です。特にその中にある扁桃体という部分は不安や恐怖などネガティブな感情を生み出します。

ちなみに楽しい感情より恐怖や不安などの方がパワーは強烈です。なぜなら生存に関わるから。

 

その辺縁系の暴走を制御しコントロールするのが新皮質なのですが、うつ状態は、そのブレーキが効かなくなっている状態です。

 

なので、どうやってもネガティブ思考になるし、建設的思考ができないのは必然です。また自律神経にも影響しますので、吐き気や過呼吸などの体調不良にもなりやすいです。

 

仕組みとしてはこんな感じなのですが、そのうつ状態で患者が自分自身を責めてしまうことがあります。

というより脳の状態的に責めやすくなってる状態です。

「なぜ私はこんなこともできないのだろう」

「周りの人から白い目で見られてるに決まってる」

「これはもう治らない病気なんだろう」

と、堂々巡りな悪い思考が止まらなくなります。

 

そんなとき、そうなっている自分自身に対してどう対話したら良いでしょう?

 

「うつになるな!」

いやいや、これはうつ状態にフォーカスを当ててしまうため逆効果です。

 

「とりあえず元気を出そう。」

これも同じです。逆に元気になれない自分に葛藤して余計に悪くなります。

 

「なんか気を紛らわそう」

これは気を紛らわせるものがあれば良い方法かもしれません。頓服等があってそれが効くなら飲むべきです。オーバードーズはいけませんが。

ただ、紛らわそうとすること自体鬱にフォーカスを当てていることになるので、逆効果なときもあります。

 

じゃあどうすればよいのか?

僕もたまにそういうスイッチが入ってしまうこともあるのですが、自分自身にこう投げかけています。

 

「仕方がない」

 

だって仕方がないですもん。不可抗力この上ないです。脳がそういう状態ですからね。

自分の意志でどうこうできる領域じゃない。

 

今現在うつ状態であって正常ではないと客観視し、そのうえで仕方がないと言うのです。

そうすると少し時間はかかりますが、鬱の波に飲み込まれずに比較的スッと回復しやすくなります。

 

鬱はある種特殊な病気です。

“闘病”といいますが、鬱は逆で闘えば闘おうとするほど大きくなってきます。

 

とりあえずなってしまったなら仕方ない。

寝とこうか。

そうすると知らん間にうつは過ぎ去っていくでしょう。

 

後最後に、鬱になったら恥ずかしがらずに取り敢えず病気にいきましょう。そして適切な治療を受けましょう。

祈祷でなんとかは二の次です。

 

だって例えば腕が切られて大量に血が吹き出してる状態の時に祈祷でなんとかとは思わないでしょ?

取り敢えず包帯巻いて病院行きません?

それと全く同じです。

 

良くなることを願っております。